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記録簿

小説とか映画とか音楽とか展覧会とかライブとか、そういうやつの感想をつらつらと残していきます。

美輪和音「強欲な羊」の感想。

 

強欲な羊 (創元推理文庫)

強欲な羊 (創元推理文庫)

早速、本日読了した一冊を。
ここ数年活字から距離を置いて生活をしてきましたが、久々に読むとやはり本は良いですね。
 

最初の5行を立ち読みし、購入を決めた一冊。連作とはいえ短編集なので空いた時間に1話ずつ楽しめるかなと思いましたが、その点では大失敗。ページを捲る手を止めることができませんでした。昨晩から読み始めてまさか今日中に読了するとは。

とにかく怖い話です。「怖い」「バカだな」と思いながら読み進めると、最後には「騙された!」と裏切られます。特に真ん中の3作はそんな感じ。最終話ではこれまでの話が全部繋がるのが最高に恐ろしかったですね。気持ちいいというより恐ろしい。こういう形で収束するのかと。読み進めながら序盤や中盤までわざわざページを戻りたくなるのも、伏線回収の醍醐味ですね。

そして、やはり表題作である1作目のインパクトが物凄かった。章の最後の数ページは、読みながら爽快感と不気味さから声をあげて笑ってました。

 

全5編。短編集ですが、最初から最後まで通して読んでほしい本です。ミステリ、サスペンスが好きな方には気に入っていただけるのではないかな。何をどう疑ってかかっても、最終的には気持ち良く騙されました。私は。ただ後味の良い話ではないので、ハッピーエンド至上主義の方にはおすすめできるかわからない。

 

羊の顔をした狼よりタチが悪く恐ろしいものはないと思う今日この頃です。