記録簿

小説とか映画とか音楽とか展覧会とかライブとか、そういうやつの感想をつらつらと残していきます。

「ROCK IN JAPAN FES. 2016(開催二日目 8/7(日)」の感想。

今更かよ、って感じなんですが一応感想は残してたのでここにも落としておきます。

 

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今年の夏まで自分はフェスというものに参加したことがありませんでした。あんなのはロックが好きで、毎日ウェイウェイしているような所謂リア充?パーリーピーポー?が参加するような自分とはほとほと縁の無いイベントだと思っていたし、音楽の趣味自体もそこまでロックに寄っていなかったので、そもそもそこまで興味もなかった。disってないよ。

ところが、昨年の夏頃から色々なアーティストの音楽を聴く機会が増えた。きっかけはよくわからないけども、友人に連れられて小南泰葉のライブに行ったのが最初だと思う。


小南泰葉 - 噓憑きとサルヴァドール

多分物凄く好みは分かれるけど、なんて力のある人なんだろうと思いました。予習にと借りたアルバムは未だに聴いているし、今年の夏にも一度ライブに足を運びました(その感想文も書けてないな)。ハコと呼ばれるような小さなライブハウスの良さを教えてくれたのも彼女だし、何より生で聴く音楽っていいな、もっといろんな音楽に触れたいなと思った大きなきっかけでもあった。

そんなこんなで、いろんなアーティストの音楽を聴くようになったわけです。小南さん以外にも、RADWIMPSとか、NICO touches the Wallsとか、back numberとか。UVERworldも以前よりも聴くようになったし、Mrs.GREEN APPLEも好きになった。今一番聴いてるのはsumikaかな。それまでは広く浅く、強いていうなら嵐、ナオト・インティライミ辺りをよく聴くかな、あぁでもアニソンもVOCALOIDも全然いけますよ、くらいの人間だったので、これでも音楽の趣味は広がったほうなんです。かなり。自分の中でロックといえば、サザンかポルノかその辺りだったのです。

その中でも心を射抜かれたのがUNISON SQUARE GARDENだった。


UNISON SQUARE GARDEN「桜のあと(all quartets lead to the?)」ショートVer.

元々この曲が好きでよく聴いてたのですが、アルバムの他の曲にはあまり手をつけておらず。今考えると相当勿体無いことをしていた。他の曲もよく聴くようになったのは、ラジオで流れてた「シュガーソングとビターステップ」を偶然耳にしたあたりからかなぁ。それ以降はアルバムを聴き込み他のアルバムも借りの日々でした。今年出たアルバムも購入しましたからね。

そんな彼らの音楽に一度は生で触れたくて、何度かライブのチケットを取ろうと試みたのですが叶わず、途方に暮れる中で知ったのがフェスへの出演情報でした。

今年の春先から夏前にかけてはそこそこ私生活が忙しかったので、まぁ夏ならいけるか、大丈夫っしょ!と勢いだけで応募したのが「ROCK IN JAPAN FES.2016」。そう、私はUNISON SQUARE GARDENに会うためだけにあの真夏のひたち海浜公園に足を運んだと言っても過言ではないのだ。

前置きが随分と長くなりましたが、気付いたら自分の想像する通りのロック好きなリア充?パーリーピーポー?に自分自身がなっていて、縁のないと思っていたフェスに初めて参加することになったわけです。開催2日目の8/7(日)のみの参戦でありました。どうでもいいけどライブってみんな参戦っていうよね。

 

以下、自分のタイムテーブルと感想です。

 

*DJ和

一通りグッズを買い揃え呑気に記念撮影などをしていたら、近くのブースから星野源の「SUN」が聴こえてきた。DJの何が凄いって、彼らは自分の曲として持っているものがないにもかかわらず、それぞれ目当てのアーティストがいて会場まできた聴衆の心を掴む術を知っているのだ。自分も思わずふらりと足を運んでしまった。恐らく、ここに集う大半が私と同じようにしてこのステージに来たのだろう。まんまと策略に嵌められたというやつだ。

「DJなんてどうせ他のアーティストの寄せ集めでできている」などと侮るべからず。そもそも自分はDJプレイというものをこれまで目にしたことがなかったので若干そう思っていた部分はあったのだが、違かった。先述のとおり、彼らはとにかく巧い。我々が喜ぶポイントを知っている。しかも、アーティストの枠を超えて我々を巻き込んでくる。知っている曲がかかれば嬉しいし、知らない曲でも周りに合わせて腕を挙げれば楽しくなるものなのだ。我々の世代どストライクのナンバー、和田光司の「butter-fly」なんて飛んで跳ねて歌って大変だった。

朝9:00という早い時間から、これから始まる一日へとそれぞれの期待を高め、我々のボルテージを上げるには充分すぎる内容でした。私もその足でついうっかり生ビールなどを飲んでしまった。全くけしからん。

 

9mm Parabellum Bullet

アーティストとしてだけではなくジャンルとしても全く聴いたことがなかったので、かなり新鮮な時間でした。ゴリゴリのロック。おお、これぞ想像していたロックフェス、って感じのロック。

DJ act.を除いては初めてのフェスの初めてのステージだったので、正直雰囲気を掴むので一杯一杯でした。印象も「かっこいいおじさんたち」。薄っぺらい感想で非常に申し訳ない。でも本当にかっこいいおじさんたちだったの。あれだけ広い屋外ステージなのに音ひとつひとつに重みがあって、ずっしりとのし掛かってくるあの感じは、多分出そうと思って出せるものではないんだろうなって。うん、書けば書くほど薄っぺらくなりそうなのでやめよう。ファンの方申し訳ない。

 

*sumika

「Lovers」しか知らない状態での参戦でした。今考えると非常に勿体無い。本当に勿体無い。小南さんを教えてくれた友人のおススメということでステージのあるテントの後方の更に後方、日差しを遮る木陰の中での鑑賞でした。ああ、本当に勿体無い。

演奏を聴いてて思ったのは、「ああこの人たちは自分たちの曲を大好きになってくれたファンの人たちが本当に大好きなんだな」ということ。公開リハの段階からそれを感じずにはいられなかった。人間的な暖かさ、アットホームさを強く感じる、まさにファンにとっての”住処”なんだろうと。そういうバンド。

勿論曲もめちゃめちゃいいです。生で聴くとコーラスの厚みが凄まじい。響きに包まれるような、飲まれるような、そんな演奏をする人たちです。リハの第一声から完全に心を奪われてしまったのですが、よくよく考えてみるとあれ多分「リグレット」だったんだよなぁ。今大好きなんだよなぁ。もっとちゃんと予習しておけばよかったなぁ。

追記:2017.1.27

セトリ確認したらリハで演奏したのは「雨天決行」でした。全然違うやん。

 

ゲスの極み乙女。

遠目にチラッと見ただけなので詳しいことは書けないですすみません。殆ど聴いたことがなく印象といったら例の報道とか知人がよくカラオケで歌ってるとかそんな感じなんですけど、真昼間の一番大きなステージに物凄く大勢の人が集まってて、ああそれだけ力のある音楽を奏でる人なんだなぁと「私以外私じゃないの」「ロマンスがありあまる」を聴きながら思ってました。”オシャレ”なんてありふれた言い表し方しかできないけれど、曲の展開が洒落てますよね。報道以降なんとなく聴く気をなくしていたけれど、勿体無いことをしていたのかもしれない。にしても、いこか様が美しすぎる。

 

*Mrs. GREEN APPLE

もう、とにかく若い。フレッシュ。その名の通り瑞々しいバンドでした。どこかがむしゃらで、尖っていて、それ故の瑞々しさ。青春のキラキラとした輝きがそのままバンドになり、そのまま音になって飛んでくる感じ。エレクトロニックなサウンドがそういう部分を引き立たせているのかもしれないね。あと、アルバムを聴いているときも思ったけど、大森君のヴォーカルって芯があって力強いのに透明感に溢れていてとても素敵だ。

ライブパフォーマンスも、みんな楽器片手に飛んだり跳ねたり踊ったり、それもまた本当に楽しそうにやるものだから、未だに彼らのあの姿を思い出しながら「あぁ、若いっていいなぁ…。」なんてどこかのご老人が縁側で茶を啜りながら口にしそうなことを自分も思ったりする。あとMCがめちゃめちゃ可愛かった。

目玉アーティストのうちの1組だったので前の方に陣取ってました。ステージ近くに行く楽しみを教えてくれたのも彼らですね。あとイントロだけだったけど、公開リハで「我逢人」聴けたのは嬉しかったな。

 

いきものがかり

RADWIMPS胎盤」ツアーに参戦した日の対バン相手がいきものがかりでした。なのでライブは2回目。王道J-popを征く彼らがロックフェス?と思っていたけれど、それは彼らも同じだったようで水野さんが「ど〜も〜〜J-popから参りました〜〜!!」とひと笑い取りに来た。そう、喋りも面白いアーティストなのだ。

そして何と言っても吉岡聖恵の歌唱力である。CDで聴くよりも数段キュートな声質を持つ彼女の伸びやかで生き生きとした歌と言ったら!ライブに出向いたことのあるアーティストなんて数組しかいないけれど、「突き抜けるような」という感覚を味あわせてくれたヴォーカルは、ぱっと思いつく限りNICO touches the Wallsの光村龍哉と彼女くらいだろうか。彼女の歌は曲によって本当に表情が変わるので、是非生でも聴いていただきたい。「コイスルオトメ」の歌い上げっぷりなんかもう号泣モノです。勿論、彼らの元気いっぱいのナンバー「気まぐれロマンティック」「じょいふる」なんかも、思いっきり踊って楽しめる。マジでワンマン行きたいなぁ。

 

ORANGE RANGE

USGのスタンバイがてら参戦。まだランドセルを背負ってるような頃に流行って耳にしてたので、懐かしいなぁという感じ。自分の思う夏フェスっぽいアーティスト第1位は彼らかなぁ、勝手に夏のイメージが強いと思ってるのもあるけど、とにかく聴衆を引き込んで巻き込んでというその力が凄い。巻き込み方も、すごく熱があって、うーんなんだろう。伝わらないかな。あ、喋りも面白いよ。

彼らは、フェスに来てる恐らく大多数の世代にとっての夏の代名詞であり、青春時代を思い出す懐メロなんだろうな。「以心伝心」「イケナイ太陽」とか、まさに我々の世代の曲なわけです。それを今生演奏で聴けるんだから、贅沢な話だよね。

 

UNISON SQUARE GARDEN

開幕一番で泣きそうだった。個人の感情しか入り混じっていない感想で大変恐縮なのですが、やっと会うことのできたという思いと、それでも尚圧倒的な格差を感じる距離に涙が出そうでした。距離って遠いのが嫌とかではなくて。語り出すとキリがないのでこの話はまたの機会に。

もう自分に関して言えば姿を見ただけで泣いてしまうような精神状態だったので感想という感想も言えなさそう。マイクチェックをしにきた斎藤さんが夏場なのに白シャツネクタイで最高にプリンスでしたありがとうございます。あと、他の方も感想に書かれているのをちらほら見かけますが、「どうも、UNISON SQUARE GARDENです」と最後の「Cheap Cheap Endroll」前の「またね」しか喋らないところ、バンプ目当てに抜け出す人が多発する中残ったファンたちに「もっと嫌いになっていく」という歌詞を投げかけて去っていくところ、最高にロックでかっこよかった。

 貴雄さんはスティック回せててよかった。あと、田淵さんが客席に指をさしてニッと笑ってくれたのは、私が凄い勢いで手を振ってるのを見つけてくれたからに違いない。そうだと思っておく。

 

当日は猛暑日だったけれど、既に真夏のフェスを経験済みの諸先輩方にアドバイスを頂き万全の体制で挑んだこともあり、体力的にも体調の面でも辛い思いはせずに済んだ。友人の力は偉大であります。

それもあり、完全にフェスの楽しさを知ってしまった。これはまた参加せずにはいられない。 CDJは行けそうにないので、また来年以降かな。

それから、非常に有難いことにUSGとsumikaはワンマンのチケットが当たったので、非常に楽しみであります。